★プロへの入り口は3つ?
漫画家としてデビューをするまでの道には、人それぞれ、千差万別の種類があります。
小さい頃からの夢を胸に長年努力を続けてきた人もいれば、専門学校で漫画のイロハを学んだ人、就職してから独学でプロを目指す人もいます。
しかしながら、プロになる入り口となると、大きく分ければ3つの方法しかありません。
[1] 新人賞に応募する [2] 出版社に直接『持ちこみ』をする [3] 出版社にスカウトされる
以下の項目で詳しく説明していきます。
★新人賞に応募する
[1]の新人賞に応募するというのは、もっとも手っ取り早くて分かりやすい、王道の入口と言えます。
多くの漫画雑誌で募集している新人賞に自分のオリジナル漫画を投稿し、プロの編集者や漫画家に審査してもらう。
上位の賞をもらうことができれば、即デビューも夢ではありません。
単純に、ライバルたちの作品より、いい作品を投稿すればいい。
作品の出来がすべてというシンプルさが魅力ですね。
いわば、難関校の一般入試と同じようなものだと思えば、イメージしやすいかもしれません。
たった1点差でも、勝てば合格。プロへの道が一発でひらける。
試験当日までの経緯は、まったく関係ありません。
その人が有名な家庭教師をつけてようが、塾に通ってようが、独学だろうが、受かったもん勝ち。
苦労人にもエリートにも平等に開かれた入り口。
それが、新人賞からのデビューです。
★出版社に直接『持ちこみ』をする
プロへの入り口としてもうひとつ有名なのが、持ちこみです。
簡単にいえば、出版社へ自分の原稿を持って行って、編集者に直接見てもらうという方法。
基本的に漫画雑誌の編集部では、この持ちこみを受け付けているところが多いです。
持ちこみの利点は、編集者から直接アドバイスをもらうことができるという点。
ただ、ほとんどの場合、この持ちこみによって即デビューになることは無いと思ってください。
なぜかというと、新人賞からデビューした方が『宣伝しやすい』というメリットがあるからです。
『新人賞受賞作品』という宣伝文句をつけた方が、読んでもらいやすい。
そのため、出版社側は新人賞への応募をすすめてくれます。
結局は、新人賞への投稿&受賞が王道であり、最良の入り口ということを覚えておいてください。
基本的に持ちこみをすると、次のような流れになることが多いです。
①感想・アドバイスがもらえる ②上手くいけば担当者がつく ③担当者に見てもらいながらその編集部の新人賞に投稿し、受賞を目指す
なので、この『持ちこみ』というのは、『新人賞からのデビューを前提とした編集とのパイプ作り』と言った方がいいかもしれません。
特例として、一度デビュー済みのプロが、様々な理由により『他誌で描きたい』ということで新たな編集部に持ちこみをした場合は、その新作が編集者の目にとまって再デビューということもあります。
(こういうケースは、持ちこみではなく営業と呼んだ方がいいかもしれません)
いずれにせよ、その編集部が求めている作品カラーや傾向、プロとして求められるレベルを肌で感じられるという点で、持ちこみをして損をすることは一切ありません。
★出版社(編集者)の目にとまるには
3つ目は、スカウトです。
これは、近年増加傾向にあるデビュー方法かもしれません。
たとえば、同人誌を作ってイベントで販売をする。その作品が人気を博せば、出版社の目にとまる可能性があります。
他にも、pixvのようなオンラインのイラストコミュニケーションサービスで自分の作品を発表することで、出版社の目にとまることもあります。
ただこのような場合、『イラストレータ』としてのデビューが多いです。
特に最近は、次々に新しいものが発表されているソーシャルゲームのイラストレータを、ネット上でスカウトするゲーム会社が多くいるようです。
また、出版社から声がかかるとしても、原作者のいるライトノベルのコミカライズなど、『作画担当の漫画家』としてスカウトされることが多いかと思います。
もちろん、イラストレータから漫画家に転身した方も多くいらっしゃいますし、作画能力が評価されるということは漫画家になるうえで大きな強みとなります。
ソーシャルゲームのイラストレータとして人気が出れば、、ゲームのコミカライズという形で出版社から話がきて、漫画家デビューということもあるでしょう。
しかしながら、「スカウトされるのを待つ」という方法は、やはり投稿や持ちこみほどのアピール力はなく、チャンスも多くはありません。
「漫画家になりたい」という確固たる志があるのならば、消極的にスカウトを待つのではなく、「投稿も持ちこみもしてるけど、まだまだ描き足りないから同人誌も作るしpixivにもアップしまくる!」くらいの熱量で取り組んだ方が、望んでいる効果を得られるのではないかと思います。
投稿や持ちこみは商業向けとしての縛りが多くありますが、同人やイラストコミュニケーションサービスで自由に描いた作品の方が自分の魅力を最大限に発揮できる、っていう利点もあります。
幅を広げる、引き出しを増やすと言う意味でも、同人活動やネットへの投稿は有効だと言えます。