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ストーリーの基礎知識【1】~構成のテンプレ~

ストーリーの基礎知識【1】~構成のテンプレ~

★妄想こそがストーリー作りの基礎!

漫画のストーリーは、基本的に小説や映画など、他の媒体と同じであると考えるのが良いと思います。
「漫画だからこそ」「漫画にしかできない話を」と堅苦しく考え出すと、ドツボにはまります。

まずは、自分が読みたい話を自由に考える! これが基本です。

胸キュンできる恋がしたい! 切なくて感動する話が好き!

はじめの動機は本当にこれで十分です。

あとは、ひたすら妄想あるのみ!(笑)

「話を考えなきゃ!」と意気込んで、机に向かってひたすら頭をひねる……なんてことは、はじめはしなくて大丈夫。
学校や通勤の行き帰り、お風呂、寝る前、5分でもヒマな時間があったら、頭の中で「理想のイケメン」や「萌えるシチュエーション」を妄想しちゃう。それをメモる。

いつもの電車で、「もしいつも見かけるカッコイイ人と目が合ったら……」
授業中、「ちょっと怖いと思っていた隣の席の男子の寝顔が意外とカワイイ」

日常のあらゆるシチュエーションを漫画の舞台に置き換えて、小さなことでも「ネタ」が浮かんだらすぐメモをとるクセをつけましょう。

ストーリー作りでもっともシンプルかつ、大切な能力は「妄想力」と言っても過言ではありません。
これが自然にできないと、ストーリー作りで大きくつまずく原因となります。

それを踏まえたうえで、技術的なお話をしていきます。

 

★ストーリー構成には絶対外せない「定石」がある

「物語の構成」といえば、有名なのは、

1.起承転結 2.序破急 3.ハリウッド式「三幕構成」

このあたりでしょうか。

上記の3つの手法は、どんな物語にも応用できる便利な型紙、いってしまえば「テンプレ」ですので、覚えておいて損はないと思います。

もちろん使わずに物語が構成できる人にとっては必要ありませんが、それができるのはごく一部の限られた天才だけです。
困ったときに基本に立ち返る、という意味でも、漫画家を目指すのであれば必ず一度は理屈を頭に入れておきましょう。何事も基礎がなければ応用に対応できません。

ちなみに、3つのうち「これがもっとも優れている」とかいうことはなく、物語のジャンルや方向性、そして漫画家本人との相性によって合う合わないがあります。
1つずつ試してみながら、まずは自分に合った構成方法を見つけましょう。
慣れてきたら、物語のジャンルやボリュームによって使い分けていくといいでしょう。

すべてに共通しているのは、物語にはいくつかの「ターニングポイント(事件)」があり、「クライマックス(見せ場)」を経たあと、「変化」があること。

この3点を必ずおさえておきましょう。

例えば、起承転結を例に短編の恋愛ストーリーを作るとします。

【起】・・・物語の起点  主人公がヒーローと出会う(それまでの日常が変わる)
【承】・・・出来事が起こる  ヒーローのチャラい言動を見て苦手に感じる(ヒーローを遠ざけたいという感情)
【転】・・・これまでの前提が覆る  トラブルに巻き込まれたとき意外な一面を知る(チャラいと思っていたけど本当は真面目で一途だった)←「ターニングポイント」&「クライマックス(見せ場)」
【結】・・・物語の終点  主人公がヒーローを好きになる(物語の起点から変化している)←「変化」

この構成を頭に入れておけば、とりあえず基礎はOKです。

ちなみに、読み切りの短編であれば、クライマックスは1つで十分です。
しかし、漫画を連載するとなると、1話ごとに小さな「事件」と「見せ場」、そして「変化」を設けることが必要になってきます。

ここでいう「事件」とは、べつに重大なものでなくても構いません。

恋愛漫画においては、「主人公がヒーローと初めてふたりきりになった」でも、十分大きな「事件」です。
そして、ふたりきりで話しているうち、「冷たいと思っていたヒーローの優しい一面が垣間見える瞬間」なんかが、「見せ場」となります。
その1話が終わるときに、「主人公がほんの少しヒーローに親しみを感じるようになった」。これが「変化」です。

それらの小さな「事件」「見せ場」「変化」を積み重ねることによって、最終的に、物語のすべてを通してかかわってくる「大きな事件」「大きな見せ場」「大きな変化」を、より印象的に描いていく。

これが、ストーリー構成の定石です。

よっぽどの天才でない限り、ストーリー作りは数をこなさなくてはうまくなることはありえませんので、まずはどんなにベタでも、ありがちな話でもいいと思って、物語を【起】から【結】まで構成してみましょう。

練習なので、完璧なストーリーをつくる必要はありません。

読み切りの短編を想定して、「主人公とヒーローの性格」「【起】から【結】までに起きるイベントを一文程度で完結に」くらいを決められればOKです。

10本、20本と考えていくうち、コツがつかめるはずです。

「事件」「見せ場」「変化」を盛り込んだ話を作れるようになったら、徐々に、自分にはどんな構成があっているかわかってきます。

ストーリー作りは、センスの前に慣れがとても大切!

逆に言えば、ストーリーは慣れさえすればある程度のクオリティーを安定して作れるようになってきます。

どんな分野でも、基礎を固めるには地味な作業の積み重ねが不可欠です。
がんばりましょう!

 



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えこたけ

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元漫画家志望。現在は別の形で出版関係(創作側)の仕事をしています。ご連絡はこちらまで。

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